**confection**
explosion
「んんーっ、んまっ!!」
………。
「やっばい。幸せすぎる」
………。
目の前で無邪気にスプーンを口に運ぶ姿に、俺はポリポリと後ろ髪をかく。
「…子供か」
「ん〜?」
ポツリと独り言のように呟いたももには、はっきりと届かなかったらしい。
なんでこうなってるかな……。
って、まあ、俺が言い出したには違いないんだけど。
今目の前にいる人物が、不思議そうにスプーンをくわえたまま見上げる。
自然と上目遣いになっていて、そんな表情に頬が緩む。
約束通り、数日後の放課後、学校から少し歩いた場所にあるカフェにやって来ていた。
ここら辺の地理にはまだまだ詳しくないので、ももに任せてやって来た。
なんだかなあ〜。
コイツは俺と2人っきりになる事とか、抵抗ないのか?
それとも、俺が意識しすぎ…?ももからすれば、俺は安全パイ…ただの友達………。
「……。」
自分の考えに虚しさを覚え、強制終了させる。
目の前でふわりと芳ばしい香りを漂わせている珈琲カップを持ち上げ、唇を埋めた。
お、なかなかうまい。
珈琲党の俺は、そんな小さな幸せに浸るように、ふぅと胸から息を吐いた。
そんなに広くもない店内には、制服を着た俺たちぐらいの高校生や、大学生らしき学生と、年齢層は若いようだ。
「美春に教えてあげよ〜」
そんな風に言いながらも、幸せそうに微笑むももにくすぐったくなった。