**confection**
「ごちそうさま」
「へいへい」
並んで店内を後にして、隣に並ぶももを見下ろす。
小さな頭に小さな顔。
そこに敷き詰められたような、キラキラと光る宝石のような瞳、ピンク色の唇。
……。
不自然にならぬよう、思いっきり前にむき直す。
本当に、男はなんてしょーもない生き物だ。
「どうする?宗太のとこ行く?」
「あー…そうだな…」
やる事ないし…この辺詳しくないし。
と思った所で、再びももに視線を落とした。
もう少し、2人で居たい。
…なんて言ったら、コイツはどう反応するだろうか。
「ちょっと買い物付き合って?」
んな事言えるワケねえじゃん。
「買い物?」
「うん。ちょっと見たいモンがあるんだけど、この辺詳しくないし。案内してくれねえ?」
ふふ…。どんだけチキンハートなんだ。俺。
いや、もうここまできたら、ノミの心臓なのかもしれねえな。
地元じゃこんな俺想像つかなかった。
都会の水にやられたな。
向こうじゃ、女に対してこんな事思った事なんてなかったし。
むしろ、こんな風になるなんて思ってもなかった。
………当たり前だけど。