**confection**




「ごちそうさま」



「へいへい」



並んで店内を後にして、隣に並ぶももを見下ろす。


小さな頭に小さな顔。


そこに敷き詰められたような、キラキラと光る宝石のような瞳、ピンク色の唇。



……。



不自然にならぬよう、思いっきり前にむき直す。



本当に、男はなんてしょーもない生き物だ。



「どうする?宗太のとこ行く?」


「あー…そうだな…」



やる事ないし…この辺詳しくないし。

と思った所で、再びももに視線を落とした。





もう少し、2人で居たい。



…なんて言ったら、コイツはどう反応するだろうか。




「ちょっと買い物付き合って?」



んな事言えるワケねえじゃん。


「買い物?」



「うん。ちょっと見たいモンがあるんだけど、この辺詳しくないし。案内してくれねえ?」



ふふ…。どんだけチキンハートなんだ。俺。


いや、もうここまできたら、ノミの心臓なのかもしれねえな。



地元じゃこんな俺想像つかなかった。



都会の水にやられたな。



向こうじゃ、女に対してこんな事思った事なんてなかったし。

むしろ、こんな風になるなんて思ってもなかった。





………当たり前だけど。
< 98 / 249 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop