都市伝説~メリーさん



あの事件から半年が過ぎた

丁度お昼を回った頃に少女惨殺事件の事について後輩の北島良介と一緒に北乃家に話を訊きにいった。



父親のキタノソウジは疲れ果てたような表情をしているようだった。みた感じ食事もろくにとってはいないようだ。 


屋敷の中はイタリア製の凝ったインテリアばかりでさすがは資産家だと思った。
だがそんな豪華な屋敷もまるで色褪せてみえる。


暖炉の近くには恐らく女房と殺された娘だろうと思われる写真が立てられてる。


分かってはいたがキタノソウジが話してくれないといけないと思いあえて聞き出した。 


「あの写真奥さんですよね?」


すると北島が今はそういう事を聞いたらダメだと眼で訴えてきた。 



「そうですよ」

やつれた表情でもキタノソウジは笑顔で答えた。


「利江は…いえ、妻は自殺する前日まで一時も芽衣を殺した犯人を忘れた事はありません。殺してやる、殺してやると誰かも分からない犯人に向かって言っているのですよ」 



「芽衣さんも少女連続誘拐殺人事件の犠牲者だと思います。芽衣さんと変わらない歳の子達が次々と殺されています。そうですね……芽衣さんで七人目ですよ。一人目の子は隣町の中学二年の女子生徒でした。部活帰りの帰宅途中に何者かから誘拐されてそれから数週間後に遺体が発見されました。同一犯と思わせる共通点は――」


ここまで言うと北島が「古賀さん!」と止めにはいったのである。







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