都市伝説~メリーさん


「貴文、手をはなせ」


健太は言ったが貴文は聞こえてはいないようだった。それどころか貴文がまるで別人のようだった。いかれてしまったのか、大声で叫んだと思いきや急に落胆し貴文は健太の目をじっとみたのだった。 


「宏と美千留はどうしたんだよ…貴文お前知らないか」 


健太は訊いた。


「………………………」


貴文は何も喋らない。


「その血は…宏と美千留に関係しているのか?」


「………………………」


それでも貴文は誰にも喋らない。



「お前…まさかふたりとも殺ったのか」


すると貴文は頭を抱えてうわぁぁぁぁぁ―と唸りだした。その隙に健太は走って廊下の方に逃げだした。 

それに気付いた貴文は直ぐ健太を追いかけた。 


「まてぇぇぇ、健太ぁぁぁぁぁ!!!」



健太は必死に逃げた。 


一体何が起こったのか、何が彼をこうさせたのか分からなかった。 





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