都市伝説~メリーさん
立場が逆転したようだ。
今まで自分が命令する側だったのに少なくとも貴文から逃げようとする自分が想像もつかなかった。
逃げようとするが脚がガクガクと震えていた。
包丁を片手に持った貴文が今、自分を追い掛けてる。
捕まったら確実に殺される
だが、貴文は速かった。すぐに追いつき健太の髪の毛を掴んだ。それに必死に抵抗しようとしてふたりとも取っ組み合い状態になってしまった。そして足を滑らせて階段から健太と貴文は転げ落ちた。
それと同時に「うっ…」と苦しそうな声が貴文から漏れた。
健太は地面に打った頭をおさえ貴文の方に目をやったのだった。すると健太の表情は青くなった。