REAL
第1章
原因
2年の夏―
運良く、私とリサがいじめられることはなかった。
いつもビクビクしていた私もグループに慣れたのか、素を出せるようになっていた。
みんな面白い子ばかりで、笑いが絶えることはない。
「まじでー?!」
「うけるっ」
「あははははー」
2年になってから、誰もいじめられていない。
いじめはなくなったのかな。
もうエミカに合わせる必要もないっ!!
そう考えると、とても嬉しくなった。
そして、私は安心しすぎていて気づかなかったんだ。
エミカがリサのことを睨んでいることを。