あたし、





「わたしなら、宛先の子のとこに置いとくかな」




「つまんないつまんない。

違くて、

ちょっと悪知恵働いちゃったら?」






悪知恵なんか働かないよ、と言おうとしたけど、そんなこと言ったって、彼女には通じないだろうと思ってやめた。




「……えー、
そしたら……

あ、

そしたらその手紙をわたしが貰って、

手紙書いた子の秘密知っちゃったー

……ってなる」




「………それでからかうんだ、
その子を」






「それじゃ人聞き悪くない?
まあ、弱味握ったってかんじ?」








「えー!

たち悪っ

あたしよりたち悪いよ」




「だってまゆが言ったんじゃん」



「何を?」



「悪知恵働いたら、って」



「うん、でも悪知恵働いたらやるんでしょ?」





きゃはは、と笑う彼女にわたしは適わない。









適わなくたって、別にいいけどね。










そうでしょ?
















まゆ。














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