宿命に逆らって
巻ノ二 :再会
今日も里はにぎやかである。

八雲はいつもお城で静かに暮らしているので、あまりこういうにぎやかさに慣れていない。


(静かな所に行きたいな・・・)



そう思って、少し里の端の方向へ行った。






「ここは・・・・・」



この川。あれから一度も来ていなかった。

「変わってないなぁ・・・水もとっても綺麗・・・」




あの時のことを少し思い出してみた。



確か・・・・男の子が・・・







その時だった。

少し向こうのほうに馬に乗った少年が現れた。

馬から下りて、手で水をすくい、馬の鬣を綺麗にといてやっている。





その馬といい・・・・男の子といい・・・・・

まさにあの時の子と重なった。

9年も経ち、成長してとても逞しい姿に変わっていたが、



やっぱり・・・・あの顔は変わってなくて、

一目見てすぐ分かってしまった。
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