-アンビバレント-
「ねぇ、清音。 何で言わないのさ?」
「え? 何を?」
「何を?じゃないよ、隆也と付き合ってるコト」
「な……」
清音ってば……分かりやす…
「何で…ソレ…」
「見てれば分かるって。 てゆーか、そのミサンガだっておそろいでしょ?」
その言葉に、清音がサッと手首を隠す。
清音が右手首につけてるミサンガ。
隆也は足についてたからすぐには気付かなかったけど
アイツがこの前酔って寝ていた時に気が付いた。
「いーじゃん別に隠さなくて。 もうみんな知ってるよ?」
「…みんな知ってるの?」
「え。 バレちゃ、まずかった?」
清音がいきなり不安そうな、泣きそうな顔になったから慌てて聞いた。