-アンビバレント-
Wish
チチチ―――
鳥の音で目を覚ますと、隣に月菜がいた。
あぁ…そっか…
夜も遅かったし泊まってけって言ったんだっけか…
しかしよくこんなせっまいアパートに月菜泊められたな、昨日のあたし。
せめてもうちょっと片付けしておくんだった…
のそのそとふとんから這い出し、キッチンに立ったあたしは
ぐるぐると鳴るお腹を押さえながらオムライスを作り出した。
親がなまけもので家事をほとんどしなかったから
料理は得意のつもりだった。
「おはよーございますー」
「おっ月菜起きた?」
「はい…良い匂いがして起きました…」
あたしたちはオムライスを食べ終えると
今日の練習会場であるスタジオに月菜の車で向かった。