-アンビバレント-
「…ってえぇ!?実流さんロマスタ抜けるんスか!?」
「お――…今スグじゃあないけどな。そのうち」
「何で!?てか香保さんも清音さんも知ってたんスか!?知らなかったのオレだけ!?」
「康人、う――るさい」
「何?キヨ今日機嫌悪いの?」
「キヨじゃなくて清音だって言ってるでしょ!!」
読んでいた雑誌をパンっと机の上に叩きつけた清音を見て
いつものように実流が茶化した。
その横で康人が「何だかんだ言って、俺たちって結構仲いいっスよね」
とか言いながら笑っている。
確かにそうかもなぁ…とか思いながらあたしはコーヒーを口に含んだ。