-アンビバレント-
それからもあたしと清音はロマスタのライブに行って
そのうちに、2人で組んでまたやり直そうって話になった。
いつしか
ロマスタに追い付くことが
あたしたちの夢になってたから。
『今日は盛り上がっていこ――!!』
あたしが清音と一緒に初めてステージに立ったのは
隣町の小さなライブハウスだった。
そこは都会になりきれなかった田舎町で
ちょっとよごれかかってた町だったけど
あたしたちの母校のある土地でもあるし
あたしが『ロマスタ』との出逢いを果たした地でもあったから
その町に対する愛着はあったし
多少は期待も持っていた。