-アンビバレント-
『えっ!!今日ロマスタもここでライブやったんですか!?』
『あーそうだね。君たちの次ぐらいだったと思うよ』
清音とライブハウスのおじさんの会話に
あたしは耳を疑った。
知らず知らずのうちにロマスタの実流に
言葉にできない感情を抱いていたあたしは
廊下でただ体育座りをして
通るかも分からない実流を
涙を流しながら待つことしかできなかった。
その涙が
愛情を示しているのか
嫉妬を示しているのかすら
その時のあたしには分からなかったけど。