-アンビバレント-
『あれ?…ワイルドナッツって…君らだよね?』
体育座りをして顔をうずめていたあたしと
その隣に立っていた清音は
その声の主に気付いた瞬間、何も言えなくなって
ただ必死に首を縦に振っていた。
『ドラマーとか…いらない?』
実流が優しく微笑みながらこっちを見てからは
ほんとに
嘘みたいに記憶がない。
頭がぼーっとして
夢の世界の中に1人浮いてる気分だった。
それから1年
実流はロマスタとスターライトの両方のバンドで活動を続けている。