-アンビバレント-
「「お疲れ様でした――」」
みんなの声がクリスマスの夜空に響く。
「月菜!!隆也!!今日オレと香保はい―から清音だけ乗せてって!!」
「はい!!分かりました!!」
「了―解」
「え?何で?」
1人理解できないあたしは
混乱しながら実流に駆け寄った。
「え?本番終わったら付き合ってやるって言ったの忘れた?」
「あ……」
そういえば……そんなよ―なこと言ってたかも…
「でもい―のに。大丈夫だよ、そんなの」
「いや。ダメだ。……来い」
実流に右腕を掴まれて
そのまま抵抗もせずに実流の車に乗り込んだ。