-アンビバレント-



『キャァアア――!!』



ステージに上がるや否や

ほんとにこんな少人数しかいないのかってくらいの声があたしたちを迎えた。



あたしは100人弱の詰め込まれた人達に笑顔を向ける。



それにしても暑い…

きっとここにいるほとんどは実流の熱狂的なファンなんだろうな…



そんな事を思いながらあたしはマイクを強く握った。


「こんばんは――!!スターライトです!!」








海が見えるわけじゃない

空が綺麗なわけでもない

「スターライト」なんて言っといて

街灯に負けて星の光すら見えない



それでもあたしはこの場所が大好きだった



実流と逢った町だったから



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