-アンビバレント-



「はよ――」

「はよ」

「おは――」


メンバーのいつもと変わらない屈託のない笑顔を見てると

幼稚園児に戻った気持ちになる。


朝も不機嫌なあたしが1日をまともにやってけてんのは

きっとこいつらがいるからなんだ


あたしはメンバーに笑顔を向けた。



お金のないあたしたちが借りれるスタジオは

当然安いところだけだから

冬は寒くて夏は暑い。


ずっと乗り越えてきた寒さも

今年は妙に辛く感じた。



実流のお父さんとは面識はなかったけど


こんなに寒くて容態が悪化していないのか


とても気になった





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