-アンビバレント-
ケータイを不携帯のあたしが普段の練習でスタジオ入りする時は
月菜が直接家まで迎えに来てくれる事になってる。
だけど今日はあたしなりにけじめをつけたい訳があるんだ。
あたしは手首についたミサンガを見つめた。
雨も雪も降らないくせに凍りついたアスファルトを一歩一歩踏みしめながら
あたしは久しぶりに懐かしい地に来た。
そこは
幼い頃にあたしが使ってた隠れ家。
回りの家からは死角になっていて
住宅街の中にあるわりにはかなりいい場所だった。
その隠れ家の一角には
あたしが隠れ家を見つけた当時からの思い出とかを
タイムカプセルみたいに隠した場所がある。