-アンビバレント-
「ひとりっ!!かたぁぁおもいのよぉぉるはぁぁ」
「ねぇ康人(やすと)。彼の熱唱はいつまで続くの?もう我慢の限界なんだけど」
今日一番のとびっきりの笑顔を向けながら
スターライトのベーシストである康人を見る。
「ですよね。隆也さんがあぁなってからもうだいぶ経ちましたもんね」
康人は苦笑いしながら
「じゃあもうオレ、隆也さんどっかのホテル持ってっちゃいますね」
と言って隆也の方に向かった。
「さっすが康人^^」
と言いかけたあたしは、回りを見渡した瞬間
後悔の波にさらわれた。
視界のはじっこで康人が隆也に肩を貸して
部屋を出ていくのが見えた。
酔いつぶれている人もだんだんでてきて
意識があるものとして部屋に残されたのは
19だから酒の飲めなかった月菜と
あまり酒を飲む気になれなかったあたしと
酒も飲まずに
バカみたいに次の曲を考えている
実流だった。