-アンビバレント-
「……嫌っ…だっ…」
あたしは気付いたら
もう椅子にも座れていなかった。
あたしの夢を
あたしの希望を
あたしの未来を
ロマスタにだけは奪ってほしくなかった。
だからあたしは最初からロマスタを敵対視しちゃってたのかな。
「オイ、香保……」
床に丸まって泣きじゃくるあたしを見て
実流が心配して背中を撫でてくれていた。
本当は
こんなに実流の事が大切なのに。
あたしは何をやってたんだろう。