-アンビバレント-
『ふざけんな!!』
『ふざけてんのはてめぇだろぉが!!』
『冗談じゃねぇよ、もうやってらんね―』
『修斗(シュウト)!!…拓磨(タクマ)も……もうやめてよ……』
力なくそう言ったあと
清音は泣き崩れるようにしゃがみこんだ。
バンド結成からわずか半年。
受験勉強の合間を見つけて練習していたあたしたちだったけど
やっぱりすぐに上達しない苛立ちと
夢と現実をハッキリさせられたみたいな悔しさと
受験とバンドに板挟みされた苦しさで
あたしたちはもうここでダメなんだと
ポジティブだと言われるあたしでも
そう思うくらいにボロボロになっていた。
『清音……修斗も…拓磨も。もう……やめよう?』
組もうと言い出したのは紛れもなくあたしで
結局解散しようと切り出したのもあたしだった。