しゃぼん玉
入学式
入学式当日、校門前で妙にハイテンションな女があたしに向かって突進してきた。

「七海~!オハヨー!」
「あ、可奈。おはよ。」
「また一緒だね!中学ん時みたいに、いっぱい いっぱい遊ぼうね!」
「あぁ、うん。そぅだね。…ってかさ うちらもマジ腐れ縁だね。」
「うんうん!腐れだねぇ!」
「高校まで一緒とは…。」
「同じで当たり前じゃんか!うちらの脳みそじゃ、ここ以外入れてくれねぇって!あはは!」
「そりゃそぅだけど、何もクラスまで一緒とはねぇ…。」
「赤い糸だよ!」
「あはは!そいつは大変だ。」
「うちらも とぅとぅ花の女子高校生だよ~!」

 中学時代からの親友・可奈は そぅ叫ぶと私の腕に絡み付いてきた。

「花ねぇ…。うちらの場合もぅ枯れてるっしょ。」
「あは。ウケる。マジだね。枯れてるね!」
「挙げ句 腐れと来たか!」

二人仲良くクラスに入った。私達のクラスは既にガヤガヤしてて、中を覗くと黄色い頭・白い頭・ピンクの頭・ブルーの頭・黒い肌…。伸び伸びとした若者育成を謳う自由な校則も、ここまでくれば単なるキャンパスに塗りたくった絵の具でしかない。

「ヤバくね?」
「うん。ヤバいね。」
「七海、楽しい学校生になりそうだね!」
「うん。楽しくなりそうだね。」


私達は騒音の中、それぞれの席に着いた。


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