伝えたいんだ
でも、
「っ大好きだよ、っく、ばか」
ふわり、笙多兄が笑った。
「俺もだよ、結花」
――――
――――――
「笙多っ!こっち運んでー!」
「ちょっと待ってろ」
新しく同居するマンションには、引っ越しの荷物が溢れている。
それは、
決して、遠くはない未来、
「愛してる」
の言葉と共に。
たくさんの涙を流すことになるだろう。
私たちの明るい未来は、
幸せな未来は、
涙を流した分、
ちゃんと用意されているはずなのだから――
【end】