月の果て
「言いがかり……だと?」
キルトは、不機嫌になったらしく眉をひそめた。
………しまった。
「………すいません。王子、この話はまた今度にしましょう」
デカルトは、淡々とした口調でそう言い、じっとキルトを見据えた。
俺とした事が、
王子の前で素を出すところだった。
「………もういいっ」
キルトは、更に機嫌を悪くしたらしく踵を返してその場から去ってしまった。
………やはり、ただのガキだな。
少し言ってやれば、諦める。
あの王子は、そう。
例えるなら猫だ。
気ままに自分の思ったように、
生きている────…
俺は、アイツの
そういうところが、
気にくわない。