月の果て


────…デカルトは、1人。


宿舎の中の一室で、月明かりに照らされたペンダントを眺めていた。




「────…母さん」


デカルトは、ポツリとそう呟いて哀しそうに瞳を歪めながら手のひらの中のペンダントを握り締めた。




"──…デカルト、私の可愛い子─…"



デカルトの脳内には、


優しそうに微笑む女性の姿が

映し出された─…




"どうか、逃げて───…"


女性の顔は、


段々と苦しそうにひしゃげていった──…




───────……!!



「あ………、ぁあ..ぅぁあ」

デカルトは、苦しげに声を上げながら涙をポロポロと流した。
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