月の果て


────…いやだ。



逃げられないよ、母さん──…





足にはめてあった枷は、


外れた筈なのに───…




俺の足は、



まだ。こんなに、重い───…





───…もう、うんざりだ。



どうして、貴族の女子供は


あんなに優雅な暮らしをしていけるのに




俺や母さんは────…



デカルトは、自分の拳を握り締めた。



そして


"哀しそう──…"

キルトの声が響いた。



許さない、


アイツを赦さない────…
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