月の果て


「…………デカルト」

とキルトは、不機嫌そうにデカルトを見た。



「……はい」

デカルトは、目を見開いたまま返事をした。



「俺を、医務室に────…」

と言いかけてキルトは、


全身の力を抜いた────…




デカルトは、反射的に

手に持っていたナイフを落とし



目の前で苦しむまだ小さい少年の体を支えていた。






──────…何なんだよ。



「────…っ!……くそっ!!」


デカルトは、そう怒鳴ると



キルトを抱えて走り出した──…。
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