月の果て


──────…バンッ!!


デカルトは、勢いよく医務室のドアを開いた。



医者や看護婦達は、何事かと驚いている。




「お………、王子」

とデカルトは、息も絶え絶えに腕の中の幼い少年を突きつけた。



血まみれの2人に医者は、唖然としたが



「任せたまえ」

と王子の体をヒョイと抱えると治療に取り掛かった。



────…コイツは、死ぬ…のか?



俺の、せいで───…





デカルトは、酷く怯えたような表情をしてその場にへたり込んでしまった。
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