月の果て


─────…病室。


治療の終わったキルトは、ベッドの上ですやすやと寝息をたてていた。



デカルトは、キルトの寝顔をすぐ側でじっと見つめていた。


─────…貴族のガキ。




王族のガキ───…



憎い、筈なのに──────…




デカルトは、キルトの金色の髪をすくった。



キルトの髪は、光に反射しながら


サラサラとデカルトの手からすり抜けてしまった。






─────…この気持ちは、



なんだ───…?
< 115 / 482 >

この作品をシェア

pagetop