月の果て
─────…病室。
治療の終わったキルトは、ベッドの上ですやすやと寝息をたてていた。
デカルトは、キルトの寝顔をすぐ側でじっと見つめていた。
─────…貴族のガキ。
王族のガキ───…
憎い、筈なのに──────…
デカルトは、キルトの金色の髪をすくった。
キルトの髪は、光に反射しながら
サラサラとデカルトの手からすり抜けてしまった。
─────…この気持ちは、
なんだ───…?
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