月の果て


「そう……、ねぇ」

ソフィは、うーんと唸りながら考え始めた。



思えば私、ナタナエル国の事なんて


何も知らないわ。



ナタナエル国にいる事になるなら

調べておけばよかったわ……




「決まらない?」


「……今、考えているところよ」


「じゃあ、月を見に行こう」


「月?」


「そう、月」

キルトは、金色の瞳を細めて微笑んだ。



「どこへ見に行くの?」

ソフィは、表情を綻ばせた。
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