月の果て
「自分から!?」
トラキアは、そう言って吹き出してそのまま笑い出してしまった。
「どうして笑うのかしら!?」
ソフィは、眉を吊り上げた。
「ごめんごめん」
トラキアは、そう言いながらうっすらと浮かんだ涙を拭った。
「まったく……」
ソフィは、そう言って腕を組んだ。
「だってさ、それ。あいつなりの愛情表現だよ。だから、おかしくって……」
とトラキアは、再び笑い出した。
…………は?
「こんな扱いが愛情表現な筈ないわ」
ソフィは、きっぱりと言い切った。
「だから、アイツ不器用なんだって…」
トラキアは、腹を抱えてヒーヒーと可笑しそうに笑った。
不器用……?
どこかで聞いたような……