月の果て


────…そして、薔薇園。



「絶対、ここにいるのよ」

ソフィは、トラキアに念を押した。



「分かったよ」

トラキアは、笑いを堪えながらクックッと笑った。



「私が帰れなくなったら、トラキアのせいだからね!」

とソフィは、訝しげにトラキアを見た。



「ハイハイ」

トラキアは、必死で笑いを堪えながら早く行けと促した。



「……全く、もう..」

ソフィは、トラキアを横目にそう言いながら薔薇園の内部へと足を進めた。







─────…その時だった。
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