月の果て


「─────…ねぇ、ラクロアの花言葉を知ってる?」

それは、ソフィが聞いた事のない凛とした美しい女の声だった。




そして、



その声に応えたのは──…




「……知りません」

キルトだった。



───────…ドクン



「キルトってば、何も知らないのね」

女は、クスクスと可笑しそうに笑った。



聞いてはいけない。



そう、思うのに─────…





体が、


耳が……



言うことを聞いてはくれないの───…
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