月の果て
「…………は?」
とキルトは、唖然とした。
女は、ただ琥珀色の瞳を丸くしている。
「もう、キルトなんて知らないわ!何よ!いるんじゃないの!!そういう人が!」
とソフィは、キッと女を睨んだ。
「いるなら、…気まぐれで私を妃にするなんて言わないで!!その人を妃にすればいいでしょう!?それに、私はキルトのものではないわ!人をものみたいに言わないで頂戴!!」
ソフィは、声を張り上げた。
「………ちょ、ちょっと待って…ソフィ。話が全く見えない」
キルトは、整理しようと頭を抑えた。
「………っ!婚約破棄させてもらうわ!!もう二度と私の目の前に現れないで!」
ソフィは、俯いてそう言った。
キルトは、目を見開いて固まった。
ソフィは、更にヒートアップしたらしく
「キルトなんてだいっきらい…!!」
と顔を上げると涙を流したまま踵を返して走り去ってしまった。