月の果て



───…勝ち目なんて、


あるわけないじゃない!




精々、幸せになる事ね!


キルトの馬鹿っ!!





「────…ソフィっ!」


その言葉にはっとしたソフィは、ようやく立ち止まった。



「なんであんな事言ったんだよ…」

トラキアは、軽く息を切らして訊ねた。




「………だって、」


ソフィは、キュッと唇を噛み締めた。






「だって、悔しいわ。」

ソフィは、そう言ってポロポロと涙を流した。
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