月の果て
相変わらずカタコトと揺れる馬車…
変わったのは、運転手と
行き先───…
「………で?貴方は、どちら様?」
ソフィは、不機嫌そうに訊ねた。
「ははっ、威勢のいいお姫様だ」
男は、そう言って笑った。
「失礼ね!私が言ってるんだから答えなさい!!」
ソフィは、顔を真っ赤にした。
「それは、お互い様だろう」
男は、ニタリと笑った。
「何よ!というか、私を何処へ連れて行く気なの?」
ソフィは、フンッと鼻を鳴らした。