月の果て
キルトのところへなんて、
絶対に帰ってやらないんだから!!
覚悟するがいいわ!
ソフィが小窓を叩いた衝撃で馬が驚いてしまい馬車は、大きく揺れ始めた。
「きゃあっ!?」
ソフィは、予想外の事に驚いて椅子から落ち尻餅を付いてしまった。
「な、何をするっ!?」
男は、焦って馬を宥めようとした。
────…そして、数分後。
大きなカーブを繰り返しようやく馬車は落ち着きを取り戻した。
「……まったく」
男は、呆れたようにため息をついた。
「ごめんなさい」
ソフィは、
しゅんとして椅子に小さく座った。