月の果て
「……アイツが一緒にいる..?」
男は、暫く考えてから、
あぁ…と声を上げた。
「エリスの事か…」
ソフィは、その言葉に胸をかき乱される感覚を覚えた。
─────…その、名前──…っ!!
「気分が悪いわっ!!…やっばり降りる!キルトの元へなんて帰らないわっ!」
────…苦しい..
だって、思い出すのよ───…
どうしたって……
キルトが、あの方を………
呼ぶ……声───…
止めて。
「何を言っているんだ?」
男は、まるで分からないというように唖然とした声を上げた。