月の果て
「よく考えてみろ、あの城には使用人が何人いた?」
「え、えーと……デカルトとトラキアと……そうそう!道を教えてくれた変わった格好をした数人とトラキアの師匠さん……かしら?」
男は、はぁーと大きく溜め息をついた。
「あまりにも少なすぎはしないか?」
─────…確かに、
スクルジア王国でもあの城の何倍も使用人がいたわ……、
ナタナエル王国は、世界一戦争が強い王国というのに何故───…?
「答えは至ってシンプル、あれはナタナエル城ではない。」
───…じゃあ、
「じゃあ、私は何処にいたの──…?」