月の果て
じゃあ、キルトは何処へ─…?
「とりあえず、姫様。馬車が来る前にお着替え下さい」
「…ええ」
とベッドから降りようとして片足を出したソフィにスワローズは、再び真っ青になった。
「裸足で脱走したのですかっ!?」
「へ?」
本当だ、足…土まみれ..
「あーもう!まずお風呂に入って下さい!!ミルーラ!姫様を浴室へ」
スワローズが、そう言うと
「失礼します」
とまた別のメイド、ミルーラが入ってきた。
「さ、姫様。こちらへ」
と誘導するミルーラ。
ソフィは、もう一度床を見た。
あれは、確かに靴で歩いた跡..
私が裸足なら、
あれは、誰の───…?