月の果て
キルトは、少し考える素振りを見せて影を落とすと
思い切ったように顔を上げ
「………エリス様に、知られたくなかったからです」
と言った。
……………なんて事
そこまで、あの方が大切だったの?
それとも私を籠姫(愛人)にするおつもりだったのかしら?
訳が分からない感情が押し寄せてくる……
どうして……?
苦しいの..
胸を締め付ける───…
キルトの馬鹿…
「なので、俺は申告せずに勝手に行動しました」
キルトは、しっかりとシルベリアを見据えて言った。