月の果て
「……ソフィ」
キルトは、ソフィの後ろ姿を見つめていた。
「……お前も随分なお姫様を妃にとると言ったものだなぁ」
シルベリアは、そう言ってクックッと喉を震わせて可笑しそうに笑った。
「……余計なお世話です、父上」
キルトは、少し照れながら言った。
「それにしても。お前が、こんなに強引な事をするとは思わなかったよ…」
シルベリアは、そう言って優しい笑みをキルトに向けた。
「………」
キルトは、黙り込んでしまった。
「すまない、時間をとらせてしまったな。…さぁ、行っておやり。あの姫の元へ」
シルベリアは、ははっと笑いキルトを見送った。