月の果て
───…お城の前には、馬車が停まっている。
「では、ソフィ。気をつけて」
とにこやかに言うマリアナ。
「実態をするなよ」
と心配そうにするダージリン。
「分かっています」
とムスッとしてどこか不機嫌なソフィ。
「姫様、行きましょう」
と手を差し伸べる馬車の運転手。
帽子で顔は、よく見えない。
「ええ」
とだけソフィは、言い
手を取り馬車に乗り込んだ。
そして、
どっかりと座った。
結局…、
逃げられなかったわ。
スワローズったら、目を光らせて私を見張るんだもの。
はぁーとソフィは、動き出した馬車の中で大きく溜め息をついた。