月の果て
〜ソフィside〜契りの紅糸
────…ソフィは、ただひたすら走っていた。
風をきってわき目も振らずに──…
何よ……
何なのよ!
胸がかき乱される程、苦しいわ……
こんな気持ち知らない!
知りたくなんてないわ!
いらないのよ…
キルトを見る度に
思い出す────────…
あの方を呼ぶ声──…
…………イヤよ..
こんな感情になるくらいなら
キルトの事なんて───…
「ソフィ……っ」
後ろからソフィを呼ぶ優しい声が響いた。