月の果て


「自分……勝手か..」

キルトは、自嘲するように笑って




ソフィとの距離をグンッと近付けた。




そして、



「それでも、ソフィ。君が欲しい」

とソフィの腕を引いて、



ソフィの体を自分の腕の中へと閉じ込めた。




…………なによ、



なんて傲慢な方───…



これじゃあ、逃げられやしない…




「………キルトは、私を籠姫にするつもりなの..?」


ソフィは、抱き締められたまま俯いて訊ねた。




キルトは、その言葉に大きく目を見開いて



「……………は?」


と言った。
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