月の果て
「じゃあ、月を見に行こう」
「月?」
「そう、月」
キルトは、金色の瞳を細めて微笑んだ。
ラクロアの花を見せると
喜んでくれる筈..
「どこへ見に行くの?」
ソフィは、表情を綻ばせた。
うまくいけば────…
ソフィも俺の事を
好きになってくれるかも──…
「ん?薔薇園」
ソフィの表情は、瞬く間に崩れた。
───…なんて、
「結局、お城の中じゃない」
とソフィは、不満そうにぼやいた。
ある訳ない、か。