月の果て


「………まったく」

ソフィは、そう言って足を踏み出した。



俺が、この世で可愛いと思うのは


ライアンと




「……そう、それでいい」


キルトは、ソフィの耳元で深く甘い声でそう囁いた。




ソフィ..


君だけだって事────…



───…2人は、ゆっくりと歩きながら薔薇園の中心部まで辿り着いた。



「…着いたよ、ソフィ」

キルトは、そう囁くとそっとソフィの両目を両手から解放した。



「………綺麗」


ソフィは、そう呟いた。




………思った通りの反応。



「でしょ?」

キルトは、満足そうに微笑んだ。
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