月の果て
「有難う」
ソフィは、そう言って嬉しそうに微笑んだ。
……あぁ。
ほら、君はいつも
俺の欲しい言葉をくれる───…
分かってる?
「でも、光る薔薇なんて聞いた事がないわ……」
とうっとりした様子のソフィは、その薔薇に触れた。
俺は、
そんな君に夢中なんだって事──…
「そうなの?ナタナエルでは、"ラクロア"と言って男性が愛する女性に送る花として有名なんだけど…」
とキルトは、意外そうに驚きポリポリと頭を掻いた。
ソフィの国には無いんだな…
今時、
ラクロアを初めて見る姫なんて、
珍しい..