月の果て


「………俺が、カラーで見るのは..ソフィだけでいい」

キルトは、そう言ってソフィをふわりと抱き締めた。



俺には、本当にソフィだけだから──…




「空や海や山や大地や湖よりも私がいいの──…?」



そんな事は、当たり前。


「もちろん」




分かっていてくれていると、


勝手に思っていた。




「───…どうして?」




胸にナイフが

突き刺さったような痛みが..



体中を蝕んだ──…
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