月の果て
君はそれを望んでいないから
「自分の部屋に帰れ」
解放してあげる────…
キルトは、冷たくそう言い放つと出口へと足を向けた。
昔は、君が俺を呼び止めると振り向いた。
だけど──…
「キルトっ!!」
ソフィは、声を張り上げた。
もう、振り向かないよ。
君をすべての柵から
解放してあげたいから────…
…だけど、せめて
俺の手の届くところにいて..
キルトは、空に浮かぶ月を見上げた。
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